終わりへのスタディ「サイクル」
Owari eno Study; Sycle (Study to the End; Sycle)
題名
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終わりへのスタディ「サイクル」
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大きさ
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13.7 × 12.0 × 7.0 cm
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素材
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桧
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価格
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93,500円(税込)
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制作年
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令和4(2022)年
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管理番号
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ktk22022310
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備考
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作品説明
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「連作《終わりへのスタディ》。このシリーズは自身に必ず訪れるであろう ”死 “に対し、その恐ろしさを和らげるというテーマから制作を開始しました。美術史を紐解いてみるとメメントモリ (ラテン語で「死を忘ることなかれ」という意、今生を楽しもうという趣旨にもとれる )という言葉が存在するように、「生と死」にまつわる主題自体は現代に至るまで語り尽くされているのでは?と思えるほどに多くの作家たちが扱ってきた人類に共通する普遍的なテーマと言えます。そこにあって自身がテーマに扱う動機として、人類全体がどうというよりもまず制作行為を通して自身が抱える漠然とした死の概念を補完することとしました。死の受け止め方に対する観念を充実させるのは宗教や哲学の役割でもあると考えているのですが、決して信心深くもなく主義思想も希薄な環境で育った自分にとって日々の生活の中で死を意識させられる印象深い物と言えば桧でできた仏壇といった形式的な仏具しか存在しませんでした。後に勉学として哲学にも触れますが、どこか当事者性に欠けるような印象しか持てず現実感に結びつかなかったと記憶しています。一連の作品はそんな精神的な寄る辺を持たない自身がどうしようもなく迫る死に対して、そのものを捉え直す事で少しでも安らかな終わりを迎えられないだろうかという試みでもあります。作品の土台にあたる部分は生物が倒れ伏している姿や折れた樹木であったり加工された肉としての姿などを抽象的に造形しており、各作品はそんな骸を模した土台から分裂する細胞のような節を広げ、周囲に記号的な形状の突起を伸ばしています。それらは土台と突起物の関係や「魂の所在」「肉の記憶」といった副題とともに複数の側面から死という事象に対する問いを投げかけます。個展「彼我の境」の開催にあたり、工藝・民藝の文脈を組みながら生物を主なモチーフとして具象的な表現で発表している根付彫刻の対比として、死の概念にアプローチする抽象的な立体造形作品を置くことで自身の表現における境界をも探るような展示としました」(カタクラ ケンタ)
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